レストア作業(レストア・其の3)

2012.10.08

全てのパーツを磨き終え、組み上げに入ります。せっせと磨いたパーツはご覧の通りピカピカです。

もちろん、余りにもサビや傷・損傷の大きいパーツは新品に交換します。当社では磨きの手間を考えるとできるだけ新品パーツへの交換を優先させています。(この磨きの人件費が意外と高くつくので・・・)

各パーツはばらした手順とほぼ逆の手順で組み上げていきますが、この時にどこにどのネジがどういうふうにパーツと止まっていたかなど、元通りに戻すことが機能面・安全面において最も重要で、ばらす前の状態の記憶が非常に大切になってきます。

若い整備士には「とりあえずばらしてみろ。」と自転車をまずバラバラにさせます。あえてちょっとその場を離れ、戻った後、見事にバラバラになった自転車と部品を見て「オイオイ、こんなにバラバラにしてどうすんだ。誰がここまでばらせと言った?お前、責任取って組み上げろよ!」と冗談半分でよくからかいます。本人は「言われたとおりにばらしたのに・・・。元の状態を覚えてない!ヤバッ!」というような顔つきをしています。(笑)

当社工場長の名言(じきに遺言?)  m(_ _)m  (笑)
「部品1つ1つにその意味があり、無駄に使われているものは1つたりとも無い。なぜなら、その自転車を作ったのも人間であり、当然の事ながら必要な場所に必要とされる部品を必要と考え、使っているからだ。」

自転車を組み上げていくとこのネジはここにしか使われようがないといったことが、自然にわかるようになってきます。ちょっと不思議な感覚ですね。

若い整備士の子達も初めはドキドキしながらやっていますが、何台もばらしては組み上げるという作業をこなしていく中で、「ここに使って~!」というネジの声が徐々に聞こえるようになってくるようです。

次は完成した車両の報告になります。あと少しです。